A1. 私自身会社員時代過去には数多くのそのような研修、セミナーを受けましたが、数日間の合宿形式のものでさえ、終わって職場に戻ると1週間もたたずにすべて体から剥げ落ちてしまいました(私のへそ曲がりがあったかもしれませんが)。人は教育されると同時に、内からこみあげてくる動機づけによって行動が強化されます。その場所にふさわしいのは何より現場です。
A2.
経営コンサルタントは大手のコンサルタント・ファームに在籍されたり、中小企業診断士だったり、税理士だったり、社会保険労務士の方々がコンサルタントと名乗ってコンサルタント業務をされています。
キャリアコンサルタントは「キャリア=人の生涯と職業」に特化した知見を持った国家資格を与えられたコンサルタントです。もちろん経営コンサルタントの中にはキャリアコンサルタントの資格もお持ちで活躍されている方はいらっしゃいます。
A3.
1回だけのあるいは単発の繰り返しのお悩み相談では、胸のもやもやは少しは一時的に軽減されるでしょうが、根本的な解決にはなりません。「キャリアとは、生涯を通しての人間の生き方・表現である」通り、職業選択は一生の問題であると同時に、企業と従業員との関わりも変化を繰り返しながら永く続きます。
この観点から、経営者の理念や目標の実現と、従業員の人生の目標の実現を両方達成するためには、時間をかけて醸成する方法が望ましいと思っています。
A4.
中小企業といえども組織として人事を扱う責任者担当者がいる企業様はその方々の方針もあると思います。
私は、経営者が孤軍奮闘して企業を成長させてきたが、人材の重要性はわかるが社内に該当する部署が出来るまでに至らず悩んでいる、そんな企業のあたかも人材開発、組織開発のアウトソーシング先としての立ち位置を望んでいます。社員に匹敵するほどの関係性、利害関係を持った嘱託先と考えていただけると嬉しいです。
A5.
人間としての尊厳は守られて当然ですが、社会人として陰口やチクリ、根拠のない批判は現に慎むべきでしょう。
一方で、自由に発想しやってみることを抑えつけることは、従業員のやる気を喪失させ、あるいは上の顔色ばかり窺うなど、結果として会社の活力が失われることが報告されています。
発言する人がどのような気持ちや考えからそうしているか、を本人も経営側も理解し共有することは非常に重要なことだと考えます。その手助けをするのがキャリアコンサルタントの役目です。
A6.
そのような転職や起業は、正しい意味で人材の流動化と考えます。つまりその従業員は経営者と同じような動機づけに突き動かされてそのような行動に出るのです。そのような円満な退社は感謝の気持ちを持ちながらのものであり、短期的には戦力としてはマイナスになるかもしれませんが、残したノウハウは財産として残るでしょう。
また、そのような人材を輩出できる会社だという外部の評価が得られれば、次の人材の獲得にも有利に働くと考えます。
A7.
紹介や斡旋は致しません。先ず私たちは有料職業紹介業(いわゆる人材紹介業)の国の許可を取っていません。ですから、外部の人材とコンタクトをとる機会はほとんどありません。
また、国はハローワーク(公共職業安定所=無料職業紹介機関)というしっかりした施設を運用しています。地方自治体では地元の商工会議所と連携して市内の中小企業者の合同企業説明会を開催し求職者の地元での就職を後押しする並々ならぬ努力をしているのも企業にとって力強い味方です。
巷では、新卒・中途採用にまたがり人材紹介・人材派遣を扱う企業が多数存在し、お気づきの通り1年を通して就職・転職イベントは開催されており求職者にとって企業と出会う機会は溢れています。
私たちは、(どんなきっかけであれ)縁があって入職した人が、心底からその会社で自分のキャリアを積むことが出来ると感じられるという条件がクリアできれば、必ず定着し、永く勤めることが出来て、事業も安定し成長していくと信じています。
キャリア・アップを目指すには別の場所が必要だ(あたかも、野球選手が高校や大学・実業団からプロ野球、MLBを目指すように、私たちはこれを正の人材流動化と考えます)、と考える人は、経営者も同僚も祝福して旅立たせると思います。
しかし、過剰な転職の斡旋、機会創出はかえって転職癖がつき、結果定職に就く(正規雇用に結びつく)ことができない、という例はたくさん見てきています。
それよりも、今いる従業員が経営者と一体になって活き活きとして遣り甲斐をもって働く方法を学び、企業の発展を、社会への貢献を自らの使命として考え、企業業績をけん引する、そんな企業・従業員を支援するのが私たちのミッションと考えます。